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院内掲示・ホームページ掲載・患者説明――“待たせる理由”を見える化する(第5回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

第5回は、患者さんへの説明と掲示についてお話しします。

院内トリアージ実施体制加算では、患者さんに対して院内トリアージの実施について説明を行い、院内の見やすい場所への掲示などにより周知を行うことが求められています。

また、掲示事項については、原則としてウェブサイトにも掲載することとされています。

ここは、単なる事務的な掲示対応だと思わないでください。

救急外来のクレーム防止、患者さんの納得感、安全な運用に直結する、とても大事な部分です。

夜間や休日の救急外来では、患者さんもご家族も不安です。

体調が悪い。

いつ呼ばれるか分からない。

待合室に人が多い。

子どもが泣いている。

高齢の家族がつらそうにしている。

こういう状況では、少しの待ち時間でも長く感じます。

その中で、後から来た患者さんが先に呼ばれると、「なぜうちが先ではないのか」と感じるのは自然なことです。

病院側からすると、緊急度の高い患者さんを優先しているだけです。

しかし、患者さん側にはその理由が見えません。

だからこそ、事前の説明と掲示が必要になります。

掲示文では、難しい言葉を使いすぎないことが大切です。

「当院では、夜間・休日・深夜の救急外来において、患者さんの症状や状態を確認し、緊急度に応じて診療の順番を決める院内トリアージを実施しています」

このように、まず何をしているのかを分かりやすく伝えます。

次に、

「そのため、受付順と診療順が前後する場合があります」

と明記します。

ここがとても大事です。

患者さんが一番気になるのは、順番が変わる理由です。

そして、

「重症度の高い患者さんを優先して診療するための取り組みですので、ご理解とご協力をお願いいたします」

と説明します。

この一文があるだけで、印象はかなり変わります。

掲示場所も重要です。

救急外来の入口。

夜間受付。

待合室。

会計付近。

患者さんが待つ場所に掲示する必要があります。

職員の目線で「掲示した」ではなく、患者さんの目線で「見えるか」を確認してください。

文字が小さすぎないか。

専門用語が多すぎないか。

暗い場所で見えにくくないか。

他の掲示物に埋もれていないか。

こうした点も確認が必要です。

ホームページ掲載も忘れてはいけません。

最近は、受診前に病院のホームページを見る患者さんも増えています。

救急外来の案内ページ、夜間・休日診療のページ、外来受診案内のページなどに、院内トリアージの説明を掲載しておくとよいと思います。

ホームページには、あまり長い文章を書く必要はありません。

大切なのは、夜間・休日・深夜の救急外来では、緊急度に応じて診療順が変わることがある、と明確に伝えることです。

また、受付職員の説明も大切です。

掲示しているから説明しなくてよい、ということではありません。

特に混雑しているときには、

「救急外来では、患者さんの状態に応じて診療の順番が前後する場合があります」

と一言添えるだけでも違います。

患者さんから「まだですか」と聞かれたときにも、職員が同じ説明をできるようにしておく必要があります。

ここで職員ごとに説明が違うと、かえって不信感につながります。

ある職員は「順番です」と言う。

別の職員は「重症の方が先です」と言う。

また別の職員は「先生に聞かないと分かりません」と言う。

これでは、患者さんは不安になります。

院内で説明文を統一しておくと、現場は楽になります。

例えば、受付用の短い説明文を作っておく。

電話問い合わせ用の説明文を作っておく。

ホームページ掲載文と院内掲示文の内容を合わせておく。

こうした小さな準備が、現場の混乱を減らします。

200床未満の病院では、救急外来の職員数が限られています。

だからこそ、患者説明をその場の個人対応に任せすぎないことが大切です。

説明の仕組みを作っておけば、受付職員も看護師も安心して対応できます。

院内トリアージは、患者さんを待たせるための仕組みではありません。

必要な患者さんを早く診るための仕組みです。

この考え方が患者さんに伝わるように、掲示、ホームページ、受付説明を整えてください。

「待たせる理由」を見える化すること。

それが、院内トリアージ実施体制加算への対応であり、救急外来の信頼を守るための大切な実務です。

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