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厚生局の指導等及び医療監視への対応策「入院中の患者への対診(立会診療)について」

今回は、入院中の患者への対診(立会診療)について解説致します。

(保険医療養担当規則)

B007-2
(転医及び対診)
第16条 保険医は、患者の疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるとき、又はその診療について疑義があるときは、他の保険医療機関へ転医させ、又は他の保険医の対診を求める等診療について適切な措置を講じなければならない。

留意点
○対診を依頼する側(入院)
(1)対診時に行われた医療行為はすべて保険請求し、対診を行った医療機関への報酬の分配は相互の合議(※)により費用を支払う。
○対診を行なう側(外来)
(1)初・再診料、往診料のみを保険請求し、それ以外の医療行為の報酬は、対診を依頼した医療機関との相互の合議(※)により費用を受け取る。
(2)定期的又は計画的に行われる対診の場合は往診料が算定できない。

(※)合議とは、両医療機関間の自由契約の元で金銭収受を行うことを意味しているため、明確なルールはありませんが、一般的には診療報酬に則って算定した点数を基に金銭を支払うことが多いようです。(診療報酬に照らして妥当であればよく、必ずしも診療報酬と同額である必要はありません)


(参考資料:全国保険医団体連合会「保険診療の手引」より)

おわりに患者の高齢化に伴う複数疾患の保有、また治療の高度化・専門化により、他医療機関への対診や受診は避けられないものとなっています。

よって、今回取り上げた対診における算定ルールについては、双方において正しく理解することで、円滑な対診が行え、更なる医療連携の構築にも繋がることになります。

能見 将志(のうみ まさし)

診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。