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診療所における経営戦略

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「診療所は医療を提供する場であり、経営を語るのは場違いでは?」と考える方も少なくないかもしれません。しかし、少子高齢化、医療制度改革、働き方の多様化といった外部環境の変化の中で、診療所も戦略的視点を持って経営を行うことが必須となっています。

では、「経営戦略」とは何でしょうか?

簡単に言えば、限られた資源(人・時間・設備・予算)を活かして、自院が“誰に・何を・どのように”提供するかを明確にし、選ばれ続けるための道筋を描くことです。つまり、“何でもやる”のではなく、“何に集中するか”を見極めることが経営戦略の要です。

■ 診療所における戦略の特徴

病院と比べて規模の小さい診療所では、資源も少なく、経営の自由度はあるものの、判断の精度が結果に直結します。例えば以下のような点が重要になります。

  • 地域特性に合ったサービスの選択(小児科が多い地域で内科一本勝負するのか?差別化が必要か?)
  • 人材の確保と定着策(看護師が辞めない職場風土、パートスタッフの働き方設計など)
  • 診療時間・予約制度の最適化(利便性と業務効率をどう両立させるか)
  • 再診率・紹介率などの指標管理(ただ患者数を追うのではなく、質や満足度を評価指標にする)
  • 広告規制を踏まえた地域への認知活動(ポスターや広報物の活用、口コミ設計)

つまり、経営戦略とは「戦い方」ではなく、「選び方と集中の仕方」です。戦わずして勝つ方法を考えることとも言えます。

■ 目指すべきは「永続的に選ばれる診療所」

戦略の目的は、単なる黒字化ではなく、地域に根差して、永続的に信頼される存在となることです。そのためには、単に流行の診療メニューを追いかけるのではなく、自院の理念・強み・患者ニーズをしっかりと見つめ、戦略的に意思決定していく必要があります。

経営戦略は、経営者や事務長だけのものではありません。スタッフ全員が戦略の意図を理解し、同じ方向を向いて動くことで、診療所全体の力が発揮されるのです。


.経営戦略を立てるためのステップとして、実際の戦略構築方法は、現状分析、SWOT分析、目標設定、行動計画などがありますが、これらは、税理士やコンサルタントが得意なところです。事務長ねっとの書き手の中にも得意な人がたくさんいますので、お困りのことがあれば、ぜひご商談ください。