かつて医療機関で提供される食事といえば、「薄味」「味気ない」「楽しみがない」といった印象がつきものでした。しかし、今では多くの医療機関が栄養バランスだけでなく、「おいしさ」や「見た目」にも配慮し、患者さんや利用者さんに寄り添った食事を提供しています。
実際、入院中や通所中の方が「食事が楽しみです」と笑顔で話す場面は少なくありません。ある利用者のお子さんが「こんなおいしいご飯が食べられるなら、入所してみたい」と冗談を言ったという話もあるほどです。
食事は医療サービスの一部
食事は、単なる栄養補給ではありません。患者さんや利用者さんの心を癒やし、回復意欲を高める「医療サービスの一部」です。食の満足度は、全体のケア満足度に直結します。
特に、嚥下調整食やアレルギー対応食、季節感を取り入れた行事食など、工夫と愛情が込められた料理の数々は、まさに“現場力”の結晶です。
おいしい食事は「伝えてこそ価値がある」
事務長の役割の一つは、こうした「良い取り組み」を外部へ発信することです。おいしい食事は、院内の魅力そのもの。写真やエピソードを交えて、ホームページや広報誌、SNSなどで積極的に紹介しましょう。
「○○クリニックの食事がすごい」「こんなに丁寧に作られているなんて知らなかった」という声が地域に広がれば、利用者の信頼や職員の誇りにもつながります。
「食」の広報は、信頼づくりの第一歩
今こそ、医療機関で出される食事を“誇るべき資源”として見直すときです。厨房や栄養科スタッフの創意工夫を、ぜひ事務長の手で「見える化」し、組織全体の魅力向上へとつなげていきましょう。