事務長として医療従事者の働きやすい環境を整え、患者に安心と満足を提供するためには、常に現状を見直し、改善策を講じることが求められます。とくにこの点は近年最重要課題となっており、最新の「令和6年版厚生労働白書」では、心の健康に関する課題が詳細に取り上げられています。

厚生労働省白書とは？

毎年発行される厚生労働白書は、医療・福祉・労働に関する日本全国の最新データや政策方針を網羅した公式文書です。特に、令和6年版白書では「心の健康」「働き方改革」「医療従事者の働きがい」など、事務長の役割に直結するテーマが多く取り上げられています。

事務長として押さえておきたいポイント

1. ストレスチェック制度の活用

厚生労働省は、定期的なストレスチェックを実施し、結果を職場環境の改善に活かすことを推奨しています。特に中規模以上の医療機関では、心理的負担が顕著な部署のフォローアップを重点的に行いましょう。

2. 働き方改革の推進

• • 業務の効率化
    電子カルテの見直しやRPA（業務自動化ツール）の導入により、医療従事者が直接患者と向き合う時間を確保することが求められます。

• • 柔軟な勤務形態の導入
    シフト制や短時間勤務の導入は、過労を防ぐだけでなく、離職防止にも効果的です。

3. 心の健康を支える文化の醸成

職員間のコミュニケーションを活性化し、感謝や成果を称える文化を育むことも重要です。感情労働が多い医療従事者にとって、職場内での認知や評価が心の健康維持に大きく寄与します。

4. 白書データを根拠に施策を提案

「厚生労働白書なんて、日々の業務に役立つの？」と聞かれることもありますが、事務長としては、白書の情報を定期的に確認し、施策提案の裏付けとして、データに基づく改善案を具体化するために役立ちます。あるいは、スタッフ向けの研修資料として引用し、現場課題の共有と意識改革を促すこともできるでしょう。経営戦略会議でのデータ提供に使用し、科学的根拠に基づいた議論を行っているケースもあります。ぜひ活用してみてください。