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年収の壁パッケージについて

厚生労働省から発表されている【「年収の壁」への対応】について整理します。(資料参照:令和5年10月18日時点 厚生労働省「年収の壁」への当面の対応策) 

年収の壁の対応が注目を集める事になった根本的な理由は「人手不足」です。2040年にかけて生産年齢人口が急減し、社会全体の労働力確保が大きな課題となっており、働きたい方が本人の希望に応じて可能な限り労働参加できる環境づくりの一環として、今回の年収の壁支援パッケージが検討・発表された、という流れです。今回の年収の壁支援パッケージ自体は時限的なものも多く、急遽発表された対策も多いように見えますが、人手不足への対策は今後もまったなしで続いていくことを考えると、こういった方向性自体は続いていくものと考えられます。 

【年収の壁】が発生している背景

今回発表されている対応策は以下の3点に関する対策です。 

①106万円の壁への対応策(100人超企業に週20時間以上で社会保険に加入するライン) 

②130万円の壁への対応策(健康保険の扶養加入に関するライン) 

③配偶者手当への対応策 

以下、①~③のそれぞれの対策について解説します。 

①:キャリアアップ助成金に社会保険適用時処遇改善コースを新設し、短時間労働者が健康保険・厚生年金保険の加入による手取り収入の減少を意識せず働くことのできる環境づくりをした事業主に対して助成を行う。 

流れとしては、 

・従来社会保険に加入していなかった短時間労働者の方の労働時間を増やす 

・短時間労働者が新たに社会保険に加入する 

・新たに社会保険に加入した短時間労働者の方の手取りが減らないように、賃金の15%以上を追加支給する(つまり会社負担で手取り減少分を補填する)、という流れです。 

石井 洋(いしい ひろし)

M&Cパートナーコンサルティング パートナー (株)佐々木総研 人事コンサルティング部 部長 長崎出身。九州大学卒業。社会保険労務士。フットワークが軽く、かゆいところに手の届くコンサルティングで、主に若い経営者からの人気を誇る。就業規則や人事考課制度の見直しから、スタッフミーティングの開催など、幅広いコンサルティングを行う。セミナー講師の経験も豊富で、その場のニーズに合わせた柔軟なセミナーを得意。趣味はバドミントン・フットサル・旅行。