こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、このシリーズで一番覚えていただきたい内容かもしれません。
患者さんがマイナ保険証を持ってきたのに、カードリーダーで確認できない。
そんなとき、皆さんの医療機関ではどうしていますか?
私はまず、これだけは院内で共通認識にしていただきたいと思っています。
「マイナ保険証が読み取れない=一律に10割負担」ではありません。
■機械ですから、読めないことはあります
マイナ保険証で受付できない理由はいろいろあります。
例えば、
カードリーダーの故障
ネットワーク障害
停電
マイナンバーカードのICチップの不具合
などです。
患者さんはきちんと保険に加入しているのに、医療機関側の機器や通信の問題で確認できないこともあります。
そんなときに、
「読み取れないので今日は10割です」
と言われたら、患者さんは納得できませんよね。
そこで、国は代替となる資格確認方法を用意しています。
■まず確認したいのは「マイナポータル」
一つ目は、マイナポータルの資格情報を使う方法です。
患者さん自身のスマートフォンなどでマイナポータルにログインしてもらい、資格情報を確認します。
条件に応じて、マイナポータルから取得した資格情報のPDFを使用する方法もあります。
「カードリーダーが動かないから終わり」ではなく、
オンライン資格確認以外の方法で資格を確認できないか
と考えるのがポイントです。
■「資格情報のお知らせ」を持っていないか確認する
次に確認したいのが「資格情報のお知らせ」です。
前回お話しした通り、資格情報のお知らせは単独では通常の資格確認には使えません。
しかし、マイナ保険証で受付ができない場合には、
マイナンバーカード+資格情報のお知らせ
を組み合わせることで資格確認に利用できます。
患者さんに、
「保険者から届いた『資格情報のお知らせ』という紙はお持ちですか?」
と確認してみましょう。
■再診患者なら、医療機関に過去の情報があることも
ここまでの方法でも確認できない場合、再診患者であれば、医療機関側に過去の資格情報が残っている場合があります。
その場合は、患者さんに、
「前回から保険は変わっていませんか?」
などと確認し、医療機関が把握している資格情報と照合する方法があります。
つまり、
「今日、機械で取れなかった」という一点だけで判断しない
ということです。
■初診では「被保険者資格申立書」という方法もある
初診患者で、マイナ保険証による資格確認ができず、マイナポータルの資格情報や資格情報のお知らせでも確認できない場合には、「被保険者資格申立書」を記入してもらう方法があります。
患者さんに加入している保険者などを申告していただき、それをもとに受付を行う仕組みです。
ですから、医療機関では「被保険者資格申立書」をすぐ取り出せる状態にしておくことをおすすめします。
トラブルが起きてから、
「そんな書類があるんですか?」
と探し始めると、受付も患者さんも大変です。
■「患者さんのせい」と決めつけない
もう一つ、受付スタッフの皆さんにお願いしたいことがあります。
マイナ保険証が読めないと、
「患者さんのカードがおかしいのでは?」
と思ってしまいがちです。
でも実際には、医療機関側の機器や通信、保険者側の情報登録など、さまざまな可能性があります。
まずは、
「確認方法がありますので大丈夫ですよ」
と声をかけてください。
この一言だけでも受付の空気は大きく変わります。
■院内では「代替ルート」を決めておく
受付マニュアルには、ぜひ次の流れを書いておいてください。
①マイナ保険証で確認
↓
②確認できなければマイナポータル等を確認
↓
③資格情報のお知らせを確認
↓
④再診なら既存情報+口頭確認
↓
⑤初診等で確認できなければ被保険者資格申立書
もちろん、状況によって実際の確認方法は変わります。
大事なのは、
「エラーが出たら10割」という一本線の対応にしないこと。
患者さんが安心して診療を受けられるよう、複数の確認方法を受付スタッフ全員が知っておきましょう。
次回は、カードリーダーに「資格無効」「資格情報なし」などと表示された場合について詳しくお話しします。
(制度内容は2026年9月時点)

