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機能強化加算・在支診のBCPはどう作る?――日本医師会のひな形を使うときの注意点(第2回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

令和8年度診療報酬改定で、クリニック経営の実務として見落としてほしくないものの一つがBCP、業務継続計画です。

特に、

機能強化加算

そして、

在宅療養支援診療所・在宅療養支援病院

では、BCPの策定が重要な施設基準になりました。在支診・在支病については、令和8年度改定資料でも「業務継続計画の策定」が施設基準として明示されています。

そこで現場から出てくるのが、

「分かりました。でも、BCPって何から作ればいいんですか?」

という質問です。

今回の疑義解釈その12は、そこにかなり実務的な回答を示してくれました。

日本医師会の診療所用BCPひな形を使ってよい

厚生労働省は従来、医療機関向けのBCP作成手引きなどを参考にすることを示していました。

ただ、診療所の立場からすると、

「資料が大きすぎて、どこから手を付ければいいのか分からない」

という声もあったと思います。

その12では、

日本医師会が作成した「診療所用業務継続計画(BCP)のひな形」を参考にしてよい

と明確にされました。

これは診療所にとってかなりありがたい整理です。

ただし、一つ注意してください。

「ひな形をダウンロードして保存すれば終わり」ではありません。

自院の状況に書き換えることが必要

疑義解釈には、その続きがあります。

各医療機関や地域の特性、市町村の個別避難計画などを踏まえて、必要に応じて内容を追加・削除して記載すること。

そして、作成した計画を職員に適切に周知すること。

さらに、作成したBCPは定期的に更新することが望ましい、とされています。

ここが本質です。

BCPは「提出する書類」ではなく、

災害が起きたときに、本当に使えるもの

でなければ意味がありません。

クリニックなら最低限ここを考える

私は、診療所でBCPを作るのであれば、難しく考えすぎず、まず次のようなことを具体的に決めてほしいと思っています。

地震や豪雨で停電したら診療を続けられるのか。

電子カルテが使えなかったらどうするのか。

電話がつながらなくなったら患者さんとどう連絡するのか。

院長先生がクリニックに来られない場合はどうするのか。

職員への連絡は誰がするのか。

医薬品や医療材料が届かなくなった場合はどうするのか。

そして在宅医療を行っているなら、

訪問診療中の患者さんを誰が、どの順番で確認するのか

まで考えておかなければなりません。

特に酸素療法、人工呼吸器、経管栄養などを利用している患者さんは、災害時の影響が大きくなります。

在宅医療のBCPは、単に「クリニックをどう再開するか」だけではないのです。

常勤医師1名のクリニックほどBCPが大事

そして私は、常勤医師1名体制のクリニックほどBCPが重要だと思っています。

なぜなら、

院長先生に業務が集中しているからです。

院長先生が動けなければ診療が止まる。

事務長しか知らない仕事があれば、その人が不在になっただけで業務が止まる。

ですからBCPを作る過程で、

「この仕事、先生しか分からないですね」

「このパスワード、事務長しか知りませんね」

ということが見つかる。

私は、それだけでもBCPを作る価値があると思っています。

作って終わりにしない

BCPを作ったら、受付の棚の奥に入れないでください。

少なくとも年に一度くらいは、

「大雨で停電したという想定で確認してみよう」

「院長が来られない場合はどうする?」

と職員で話してみる。

それだけでも全然違います。

令和8年度改定でBCPが診療報酬上の要件になったことを、

「また書類が一つ増えた」

と考えるのではなく、

「クリニックの弱いところを洗い出す機会になった」

と捉えていただきたいと思います。

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