こんにちは。村上佳子です。
今回は「連携」です。
内科の先生は、実はかなり多くの連携をしています。
「一度、循環器で詳しく診てもらいましょう」
「糖尿病がありますから眼科も受診してください」
「この検査結果なら大学病院へ紹介しましょう」
「退院してきたので、病院からの情報を確認しながらこちらで診ていきましょう」
こうしたやり取りです。
ところが、診療報酬を確認すると、連携に関する点数がほとんど算定されていないクリニックがあります。
まず基本となる診療情報提供料(Ⅰ)は250点です。
そして、一定の医療機関との間で診療情報をやり取りする連携強化診療情報提供料は150点です。
令和8年度改定では、一定の大病院から紹介を受けて診療所などが初診を行った場合の「特定機能病院等紹介患者受入加算」60点も新設されています。
つまり、「紹介する側」だけでなく、大病院から患者さんを受け取る側のクリニックも評価する方向が強くなっています。
これは、今後の内科クリニック経営を考える上で、とても重要だと思います。
常勤医師1名のクリニックが、すべての疾患を自院で完結させる必要はありません。
むしろ、
「ここまでは自院で診る」
「ここから先は専門医へ紹介する」
「病院で治療が終わったら、また自院で継続管理する」
という役割分担を上手に作ることが大切です。
診療報酬も、その方向に動いています。
算定漏れのチェックとしては、まず「紹介状件数」を出してみてください。
電子カルテやレセコンで診療情報提供書を発行した件数と、診療情報提供料の算定件数を比較します。
これだけでも、書類を作成したのに会計へ反映されていないケースを発見できることがあります。
逆に、紹介先から情報提供を求められ、それに回答したケースについても確認します。
さらに処方も見てください。
特定疾患処方管理加算56点、一般名処方加算1の8点、同2の6点など、処方箋にも診療報酬上の評価があります。
ここも、医師が処方箋を出した時点で終わりではありません。
院内でどのような処方方針をとっているか、レセコンの設定がどうなっているか、薬局との情報連携をどうしているかまで確認する必要があります。
そして、私は連携についてもう一つ大事なことがあると思っています。
紹介は「患者さんを手放すこと」ではありません。
患者さんを自院だけで抱え込まないことも、かかりつけ医の大切な機能です。
必要なときに専門医へつなぎ、治療が落ち着けばまた戻ってきてもらう。
そうすると、院長先生の負担を増やし過ぎず、患者さんには質の高い医療を提供できます。
しかも、その連携そのものが診療報酬でも評価される。
常勤医師1名体制の内科系クリニックだからこそ、「自院で何でも診る」より、「上手につなぐ」ことを経営戦略の一つとして考えていただきたいと思います。

