9月は健康増進普及月間、そして敬老の日のある月です。地域向けの健康イベントを企画する施設も多い時期ですが、事務長に一つ提案があります。今年は「高齢者に何かをして差し上げる月」ではなく、「元気な高齢者に力を借りる月」として設計してみてはいかがでしょうか。
待合室にいるのは、患者だけではない
外来の待合を見渡すと、要介護でも認知症でもない高齢の方がたくさんいます。この層を「まだ元気な患者さん」と見るか、「地域の担い手候補」と見るかで、打ち手はまったく変わります。行事の手伝い、園芸、傾聴、送迎の付き添い、季節の飾りづくり。人手不足を求人広告だけで埋めようとする前に、すでにつながっている人たちを見直す価値があります。介護施設であれば、退所されたご家族や、地域のサロン参加者も同じ視点で見られます。
「お願いする」は失礼ではない
現場から出てくる反対意見は、たいてい「高齢の方にお願いするのは申し訳ない」です。しかし役割を持つことは、本人にとっての予防でもあります。頼られる場所があること自体が、フレイル予防の実質的な手段になります。遠慮して声をかけないことのほうが、機会を奪っているかもしれません。
ベビーステップで始める
とはいえ、いきなり制度化する必要はありません。まずは行事1回、1人だけ、2時間だけ。名簿も規程も後からで構いません。小さく始めて、続いたものだけを仕組みにする。この順番のほうが、現場の負担も、失敗したときの損失も小さくて済みます。「今年はやってみた」という事実が一つ残れば、来年の企画は格段に楽になります。
今月のチェックリスト
- 行事や日常業務の中で、外部の手を借りられる場面を3つ書き出す
- 声をかけられそうな方の顔を、まず1人思い浮かべる
- 保険・事故対応の扱いを事前に確認しておく
- 実施したら写真を撮り、院内掲示と広報物に残す
- 「またお願いします」と伝えて次につなげる
