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精神科・放射線治療の算定整理――医療保護入院等診療料と体外照射の注意点(第4回/全5回)

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こんにちは。
M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、疑義解釈その10の中から、精神科領域の医療保護入院等診療料と、放射線治療領域の体外照射について見ていきます。

この回は、すべての医療機関に関係する内容ではありません。
精神科病棟を持たない医療機関や、放射線治療を行っていない医療機関では、直接の算定実務には関係しないかもしれません。

ただし、該当する病院にとっては、算定可否を左右する大事な内容です。
また、専門部署任せにしすぎると、医事課がレセプト請求時に判断に迷う部分でもあります。

まず、医療保護入院等診療料です。

今回の疑義解釈では、医療保護入院等で入院し、医療保護入院等診療料1を算定した患者さんが、その後、任意入院に切り替わって入院を継続した場合について整理されています。

問いは、任意入院への切り替え後に多職種で退院支援を行った場合にも、医療保護入院等診療料2を算定できるのか、というものです。

答えは、算定できない、です。
この診療料は、措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院での入院中に、医療保護入院等診療料1を算定した患者に対して、多職種で退院支援を行った場合に算定するものと整理されています。

ここでのポイントは、退院支援をしたかどうかだけでは判断できないということです。

多職種で退院支援を行った。
カンファレンスも実施した。
記録も残した。

それでも、患者さんの入院形態が任意入院に切り替わった後であれば、医療保護入院等診療料2の算定対象にはならないということです。

精神科病院では、入院形態の変更は実務上とても重要です。
医療保護入院から任意入院へ切り替わること自体は、患者さんの意思決定や治療経過の面では前向きな変化です。
しかし、診療報酬の算定上は、どの入院形態の期間に、どの行為を行ったのかを正確に見ていく必要があります。

医事課としては、入院形態の変更日、医療保護入院等診療料1の算定日、多職種退院支援の実施日を時系列で確認できるようにしておくことが大切です。

次に、体外照射です。

今回の疑義解釈その10では、前立腺癌に対する強度変調放射線治療、いわゆるIMRTや、高エネルギー放射線治療について、かなり細かい算定関係が示されています。

たとえば、前立腺癌に対して症状緩和目的でIMRTを実施した場合は、「M001」の「3」の「ロ」を算定することとされています。
一方で、根治的治療を目的としてIMRTを開始していた患者さんについて、途中で症状緩和目的に切り替えて、引き続きIMRTを行う場合は、引き続き一連として「M001」の「3」の「イ」を算定するとされています。

また、骨転移が判明し、前立腺癌へのIMRTと合わせて、転移性骨腫瘍に対する症状緩和目的のIMRTを実施する場合、「M001」の「3」の「イ」に加えて「M001」の「3」の「ロ」を算定することはできないとされています。高エネルギー放射線治療を同時に行う場合も、同時実施か同一日の2回目照射かで取り扱いが分かれます。

このあたりは、放射線治療部門と医事課の連携が非常に重要です。

医事課だけで、根治目的なのか、症状緩和目的なのか、照射計画がどう変更されたのかを判断するのは難しいと思います。
だからこそ、治療目的、照射計画、照射回数、計画変更の有無が、医事課にも分かる形で共有されている必要があります。

放射線治療の算定では、医師の医学的判断と、診療報酬上の算定区分が密接に関係します。
レセプト請求時に迷わないためには、治療開始時の目的、途中変更の理由、同日複数照射の有無を確認できる記録が必要です。

今回の疑義解釈その10は、精神科と放射線治療という、やや専門的な領域の話に見えます。
しかし、共通するポイントはとてもシンプルです。

「実施したかどうか」だけでなく、
「どの状態の患者さんに」
「どの目的で」
「どのタイミングで」
「どの一連の治療として」
行ったのかを見るということです。

診療報酬の算定は、行為名だけでは決まりません。
患者さんの状態、入院形態、治療目的、実施時期、記録の整合性まで含めて判断する必要があります。

該当する医療機関では、今回の疑義解釈を、精神科部門、放射線治療部門、医事課で一緒に確認しておくことをおすすめします。 次回は、今回の疑義解釈その10の中でも、多くの医療機関に関係する「掲示事項」を取り上げます。
デジタルサイネージでの掲示は認められるのか。紙の掲示は不要になるのか。実務上の注意点を整理します。

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