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病棟薬剤業務実施加算1のカギになるB014――“退院患者4割以上”をどう管理するか(第5回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

第5回は、病棟薬剤業務実施加算1と退院時薬剤情報管理指導料の関係についてお話しします。

令和8年度改定で、退院時薬剤情報管理指導料の実務上の重要性が高まった理由の一つが、病棟薬剤業務実施加算1との関係です。

病棟薬剤業務実施加算は、薬剤師が病棟で薬剤関連業務を行い、医師等の負担軽減や薬物療法の有効性・安全性の向上に資する業務を行っている場合に評価される項目です。

令和8年度改定では、この病棟薬剤業務実施加算の評価が見直されました。

その中で、病棟薬剤業務実施加算1の施設基準として、薬剤総合評価調整加算や退院時薬剤情報管理指導料の実績が関係してきます。

特に実務で注意したいのが、退院時薬剤情報管理指導料の算定割合です。

直近3か月間で、退院患者のうち一定割合以上について、B014退院時薬剤情報管理指導料を算定していることが求められます。

この要件を見ると、薬剤部の方は、
「4割以上という数字をどう達成すればよいのか」
と不安になるかもしれません。

医事課の方は、
「そもそも分母と分子をどう集計すればよいのか」
と迷うかもしれません。

ここで大事なのは、まず集計ルールを院内で明確にすることです。

分子は、B014退院時薬剤情報管理指導料を算定した患者数です。
分母は、退院患者数です。

ただし、すべての退院患者を単純に分母に入れればよいというわけではありません。
疑義解釈では、算定対象外の入院料を算定している患者、入院期間が通算される再入院、死亡退院など、分母から除外できるケースが整理されています。

したがって、まず医事課が中心となって、
「当院ではどの患者を分母に入れるのか」
「どの患者を除外するのか」
を明確にしておく必要があります。

次に必要なのは、月次管理です。

この要件は、直近3か月で見ます。
つまり、3か月が終わってから慌てて確認するのでは遅いのです。

毎月、退院患者数、除外患者数、B014算定患者数、算定割合を確認する必要があります。

例えば、次のような管理表を作っておくとよいと思います。

対象月。
退院患者数。
除外患者数。
分母対象患者数。
B014算定患者数。
算定割合。
算定漏れ疑い患者数。
原因。
翌月の改善策。

この管理表を、薬剤部だけで持つのではなく、医事課、病棟、退院支援部門で共有することが大切です。

なぜなら、B014の算定漏れは、薬剤部だけが原因ではないからです。

退院予定が薬剤部に伝わらなかった。
退院が急に決まった。
お薬手帳を患者さんが持参していなかった。
退院指導は行ったが記録が不十分だった。
医事課が算定対象と認識していなかった。
休日退院で運用が抜けた。

こうした理由で算定漏れが起こります。

ですので、4割以上を達成するには、単に薬剤師に頑張ってもらうだけでは足りません。

退院予定患者の情報が、早めに薬剤部へ届くこと。
お薬手帳への記載を誰が確認するか決めておくこと。
退院時指導の記録様式を整えること。
医事課が算定候補者をチェックできること。
月次で未算定理由を確認すること。

こうした院内の仕組みが必要です。

特に中小病院では、薬剤師の人数が限られているため、すべての退院患者に同じ対応をするのは難しい場合があります。

その場合でも、退院予定リストを活用して、対象患者を早めに抽出するだけで、かなり算定漏れは減らせます。

例えば、退院予定日の2日前までに薬剤部へ通知する。
退院支援カンファレンスで薬剤師関与が必要な患者を確認する。
退院前日に医事課と薬剤部でB014候補者を照合する。
月初に前月分の算定率を確認する。

こうした小さな運用の積み重ねが、実績管理につながります。

第5回のポイントは、退院時薬剤情報管理指導料の算定割合は、薬剤部単独では管理できないということです。

病棟、医事課、薬剤部、退院支援部門が同じ数字を見て、同じルールで管理する必要があります。

令和8年度改定では、単に点数を算定するだけではなく、実績を継続的に管理できる体制が問われています。

次回は最終回として、院内で標準化すべき実務フローとチェックリストを整理していきます。

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