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チャットやSNSでは足りない?――電子的診療情報連携体制整備加算で求められる“本当のネットワーク”(第2回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティングの村上佳子です。

今回は、疑義解釈その8の中でも、特に医療機関の皆さまが誤解しやすい、電子的診療情報連携体制整備加算についてお話しします。

今回の疑義解釈では、この加算の施設基準にある「地域の複数の医療機関間で検査結果や画像情報等を含む診療情報を共有又は閲覧できるネットワーク」について、非常に重要な整理が示されました。

質問は、簡単にいうとこうです。

「医療関係職種や介護関係職種がICTを使って記録された情報を共有できるサービスで、チャットやメーリングリストを使って診療情報を共有している場合、この要件を満たしますか?」

これに対する答えは、明確に「満たさない」です。

厚生労働省は、要件を満たすためには、診療情報提供料(Ⅰ)の検査・画像情報提供加算、または電子的診療情報評価料の施設基準を満たすネットワークであり、診療情報を提供する医療機関が電子カルテ情報を共有し、参加医療機関が随時閲覧できるものである必要があると示しています。

ここは、かなり重要です。

最近は、地域連携の現場でも、チャットツール、SNS型の連携ツール、多職種連携アプリなどを使っている医療機関が増えています。患者さんの状態、訪問予定、退院調整の状況などを共有するには、とても便利です。

ただし、それらはあくまで日々の連絡や報告のためのツールです。

診療報酬上の施設基準で求められている「診療情報を共有・閲覧できるネットワーク」とは、もう少し厳格なものです。

具体的には、原則として、検査結果、画像情報、投薬内容、注射内容、退院時要約などが電子的に送受信または閲覧できることが求められています。診療所については、画像情報や退院時要約は閲覧のみでもよいとされていますが、いずれにしても、単なるチャットで一部の情報を共有するだけでは足りません。

また、アクセスログや記録の管理も重要です。

情報を提供する側の医療機関では、提供した診療情報や閲覧可能にした情報の範囲、日時が記録され、必要に応じて確認できる必要があります。情報を提供された側でも、提供を受けた情報を保管しているか、閲覧した情報や閲覧者名を含むアクセスログを1年間記録していることが求められています。

つまり、この加算で求められているのは、単に「ICTを使っています」ということではありません。

どの診療情報を、誰が、いつ、どの範囲で共有し、誰が閲覧したのかを確認できる仕組みです。

ここを誤解すると、届出後に「うちの地域連携ツールで要件を満たしていると思っていたけれど、実は施設基準上は足りなかった」ということになりかねません。

事務長や医事課の皆さまに確認していただきたいのは、次の点です。

まず、自院が参加している地域医療連携ネットワークが、診療情報提供料(Ⅰ)の検査・画像情報提供加算や電子的診療情報評価料の施設基準を満たすものかどうか。

次に、共有できる情報の範囲です。検査結果、画像情報、投薬内容、注射内容、退院時要約がどこまで共有・閲覧できるのかを確認してください。

さらに、アクセスログや記録の管理です。ネットワークの運営事務局が記録を持っている場合でも、医療機関側が必要に応じて取り寄せられることが必要です。

ここは、ベンダーや地域医療連携ネットワークの事務局に、必ず確認しておきたいところです。

院内では、医師や看護師から「この連携ツールで情報共有しています」と言われることがあります。もちろん、それ自体は良い取組です。

ただし、診療報酬の施設基準としては、便利な情報共有ツールと、診療情報を電子的に共有・閲覧できるネットワークは別物として考える必要があります。

今回の疑義解釈は、その線引きを明確にしたものです。

最後に、今回のポイントを一言でまとめます。

電子的診療情報連携体制整備加算では、“チャットで共有している”では足りません。診療情報を構造的に共有し、閲覧記録まで確認できるネットワークかどうかが問われます。

まずは、自院の連携ツールが「連絡用」なのか「施設基準上の診療情報連携ネットワーク」なのか、そこから確認してみてください。

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