医療機関の経営がますます厳しくなる中、事務長は「病院の経営航海士」として、これまで以上に多岐にわたる役割を求められています。本記事では、事務長が果たすべき役割や重要性を、現場の課題を交えながら考えていきます。
診療報酬の知識は経営の柱
診療報酬算定は病院経営の基盤であり、事務長はそのエキスパートであることが理想です。
医事課職員との連携を深め、収益アップのための施設基準の見直しやシミュレーションを行うことが、経営改善のカギとなります。事務長が診療報酬を深く理解し、現場とともに動く姿勢が病院の安定運営を支えます。
ファシリテーターとしての事務長
部門間の調整や会議の進行役として、事務長は病院全体のコミュニケーションの潤滑油となる存在です。例えば、業務分掌の見直しを通じて効率的な運営を実現することや、部門間の意見を集約し、課題解決へと導く役割が求められます。
医療人としての倫理観を胸に
事務長の仕事は経営だけではありません。患者やその家族、職員、地域社会すべてのステークホルダーに対して、温かく公平な態度で接することが、医療機関全体の信頼に繋がります。特に現在のような不安定な時代には、医療人としての基本的な倫理観を持ち、組織全体をまとめる姿勢が重要です。
まとめ
事務長は組織の運営を支える中核的存在であり、現場の実務から経営戦略まで幅広い能力を発揮します。特に、コロナ禍のような未曾有の危機において、事務長のリーダーシップと柔軟性が病院全体を救う鍵となります。医療機関を安定した航路へと導く事務長たちの活躍に、引き続き期待が寄せられています。