この記事は、雑誌「それいゆ」で連載していた連載記事を参考にしています。
クリニック成功への道のり
多くのクリニックが、患者様からの信頼を得るために日々工夫を重ねていますが、その成功には一朝一夕ではなく、継続的な取り組みが必要です。特に、次の2つのポイントが重要だと考えられます。
- 話しやすい雰囲気づくり
- 最大の力を発揮できる効率的なクリニック
1. 話しやすい雰囲気づくり
良好なコミュニケーション環境は、チーム全体のパフォーマンス向上に直結します。風通しの良い職場を作るためには、以下の4つの工夫が有効です。
感謝の言葉を大切にする
スタッフが意見を述べた際には、その行動に対して感謝の気持ちを伝えることが重要です。ネガティブな反応を避けることで、スタッフは安心して意見を述べやすくなります。
価値観の違いを尊重する
クリニックには、多様な価値観を持つスタッフが集まることが多いです。それぞれの考え方や意見を尊重し、柔軟な対応を心がけることで、円滑なチーム運営が可能になります。
ミスの開示を奨励する
リーダーが自らのミスを認めることで、スタッフも安心して自身のミスを報告しやすくなります。これにより、チーム全体の信頼関係が深まり、問題の早期解決が促進されます。
自然体で接する
リーダーやスタッフが完璧を求めすぎず、成長過程にあることを理解することが大切です。自分を飾らず、ありのままで接することで、職場のストレスを軽減し、チームの結束を強めることができます。
2. 最大の力を発揮できる効率的なクリニック
クリニックが最大の力を発揮するためには、スタッフの能力を最大限に引き出す効率的な運営が求められます。以下の4つのポイントが、チーム全体のパフォーマンス向上に寄与します。
クレドの作成
クレド(信条)を作成し、スタッフ全員が共有することで、チームの価値観や方向性が一致します。迷った際には、クレドを基に意思決定ができ、スタッフの主体性が促進されます。
明確な目標の共有
「患者様に満足していただく」というクリニックの最重要目標をスタッフ全員に繰り返し伝えることが重要です。このように目標を共有することで、チームの統一感が生まれ、スタッフ一人一人が目標に向かって自発的に行動するようになります。
主体性を引き出す環境
スタッフに問題解決の際、一方的な指示ではなく、共に考え、解決策を導き出すプロセスを取り入れることで、彼らの主体性が育まれます。
得意分野の活用
スタッフには、可能な限り得意分野を活かせる業務を担当させることが推奨されます。これにより、業務の効率が向上し、スタッフ同士が互いの強みを尊重する文化が形成されます。こうした取り組みは、直感的に行われることが多いものですが、最近ではこれらが経営理論に基づいたものであることが分かってきました。経営学を学ぶことで、これまでの実践に理論的な裏付けを持たせ、クリニック運営をより効果的にすることができます。