皆さん、「敬語の使い方」と聞いて、「そんなことできているわよ!」と自信を持っておられる方も多いと思いますが、実はビジネス敬語ではNGの使い方をしていることもあります。
先日、医療機関に問い合わせの電話をしたときに、
- 「今日は○○先生の診察のほうでよろしかったでしょうか?」
- 「お名前を頂戴してもよろしいでしょうか?」
- 「お昼ご飯は早めにとっていただく形となりますが、よろしかったでしょうか」
と言われて、あらら…と残念に思いました。アルバイト時代の習慣で「しっかりと敬語が使えている!」と思っているのでしょうが、ビジネス敬語としては感心しない言い方です。皆さんと一緒に考えていきましょう!
ファミコン言葉(敬語)とは?
ファミコン言葉(敬語)とは、初めて接客をするアルバイトの方に「お客様を取り敢えず不快にさせない、一見丁寧な印象のバイト敬語」のことです。ファミレスやコンビニなどでよく使われるため、「ファミコン言葉(敬語)」といわれています。しかし、こういった「ファミコン言葉(敬語)」は、社会人になると、残念な印象を持たれることが多くなるので、注意が必要です。
例文と正しい表現
今日は〇〇先生の診察のほうでよろしかったでしょうか?
「~~のほう」という使い方は方向を示すときに使います。「診察」は方向を表すものではありません。また、「~よろしかった」と過去形にすることで、「あなたが言ったことが正しいのか?」と疑う印象を与えてしまいます。正しくは「今日は○○先生の診察でよろしいですね?」です。
お名前頂戴してもよろしいでしょうか?
「お名前」は頂戴できるものではありません。「お名前をお聞かせ願えますか」や「お名前をお教えいただけますでしょうか?」が正しい表現です。
お昼ご飯は早めにとっていただく形となりますが、よろしかったでしょうか
「形」は形状や外形を指す言葉ですので、シンプルに「お昼ご飯は早めにとっていただくように、お願いいたします」と言いましょう。
次回の予告
次回のブログでは、さらに具体的なファミコン敬語の例を取り上げ、その正しい使い方について詳しく解説します!「了解しました」や「ご苦労様でした」など、よく使われる表現の間違いを避ける方法をお伝えしますので、ぜひお楽しみに!😊
長 幸美(ちょう ゆきみ)
(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。