こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、第三の視点、地域包括ケアシステムの深化のうち、医療と介護の連携、看取り、生活期のリハビリテーションを取り上げます。
資料では、地域包括ケアを幅広い支援のまとまりとして扱っています。その中で、医療と介護の両方を必要とする方の増加が、連携を進める背景に置かれています。
背景にあるのは、ニーズの複雑化です
資料の基本認識では、85歳以上人口の増加に伴い、医療と介護の複合的なニーズを持つ高齢者が増えるとしています。
複合ニーズというのは、例えば、生活上の介助を受けながら、病気の管理や療養上の支援も必要になるような状態です。介護の支援だけ、医療の対応だけという切り分けでは、生活全体を支えにくくなります。
資料は、この変化を認知症や独居高齢者の増加などと合わせて捉え、介護ニーズが複雑で多様になるという認識を示しています。
その上で、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために、医療と介護の連携を一層進める必要があるとしています。
医療ニーズの高い方と、看取りを明示しています
第三の視点では、連携の対象として、医療ニーズが高い方への対応と看取りへの対応を明確に挙げています。
単に関係者が情報交換するという抽象的な連携ではなく、医療的な対応が必要になったときや、人生の最終段階も含めて、支援を続けられるようにすることが論点に入っているのですね。
一方、この資料には、具体的な連携加算や看取りに関する加算の変更案は書かれていません。医師や看護職員の配置人数、連絡体制の細かな要件も示されていません。
したがって、「医療連携や看取りが重視される」という方向と、「この体制が新たに義務になる」という話は分けて読む必要があります。
リハビリは、生活期の自立支援として扱われています
同じ部分には、生活期における自立支援に向けたリハビリテーションを進めることも書かれています。
ここで確認したいのは、リハビリが医療・介護連携と並んで、地域生活を支える取組に位置づけられている点です。
生活期のリハビリを考える際には、身体機能の訓練に加え、日常の動作や生活への参加とどうつながるかという視点が関わります。例えば歩行の改善であれば、自宅内の移動や外出といった生活場面との関係が考えられます。
ただし、これは記述を理解するための例です。第268回資料が特定の訓練内容や実施回数を求めているわけではありません。具体的な評価や要件は、後続のサービス別資料を確認することになります。
ここから読み取れる方向性
ここからは、私の読み取りです。
医療連携、看取り、生活期リハビリを同じ視点の中に置いていることから、状態の変化に対応しながら地域生活を支える機能を重視する方向が読み取れます。
介護が必要な方の暮らしには、病気の治療、退院後の生活、状態の維持、最終段階の支援が続いていきます。その場面ごとに支援が途切れないことが、今後の具体案を読む際の一つの軸になりそうです。
事業者としては、現在の受入範囲と、医療機関等へ相談する場面を確認しておくとよいでしょう。新しい対応を直ちに始めるというより、まず現状を把握する段階です。
次回は、認知症や独居高齢者の地域生活を扱う記述を取り上げます。

文責:株式会社M&Cパートナーコンサルティング
原稿作成日:2026年10月19日
本稿は第268回分科会の公開資料に基づく資料編です。議事録の内容は反映していません。最新の公式資料・通知等は、ご自身でも確認してください。
出典:厚生労働省・第268回資料1、3~4頁
