あなたが現在見ているのは 再診患者をどう診るか――院長の診察室を詰まらせない(第4回/全8回)

再診患者をどう診るか――院長の診察室を詰まらせない(第4回/全8回)

→目次に戻る

こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

新患が増えて、リハビリ患者も増えてくる。

これはクリニックにとって、とても良いことです。

ただし、その次に必ず起きる問題があります。

再診患者が増えることです。

新患を増やせば、その患者さんの多くはもう一度受診します。

骨折後の経過を見る患者さん。
注射後の状態を確認する患者さん。
リハビリ中の患者さん。
骨粗鬆症治療を継続している患者さん。

こうした再診が積み重なると、診察室がどんどん混んできます。

そこで、

「患者さんが増えすぎたので、もう新患は増やせない」

となってしまうのです。

だから、増患を考える場合は、同時に再診の仕組みを考えなければなりません。

例えば、患者さんが診察室に入ってから院長が、

「今日はどうですか?」
「薬はまだありますか?」
「リハビリではどんなことをしていますか?」

と、一から情報を集めていないでしょうか。

もちろん医師による確認は必要です。

でも、その前にスタッフが整理できる情報もあります。

症状の変化。
薬の残り。
検査予定。
リハビリの実施状況。

こうした情報が診察前に整理されていれば、医師は医学的な判断に集中できます。

リハビリ患者についても同じです。

理学療法士から医師へ伝える情報が毎回ばらばらでは、院長が一から確認することになります。

「痛みはどう変化したのか」
「可動域はどうか」
「今後の治療で医師に確認してほしい点は何か」

など、情報共有の型を決めておくと非常に効率的です。

カルテ入力についても見直す余地があります。

医師が診察終了後も長時間パソコンに向かっているのであれば、入力方法や定型文、医師事務作業補助者の活用なども検討できます。

大事なのは、

診察時間を無理に短くすることではありません。

患者さんと話す時間まで削ってしまえば、診療の質や満足度が低下します。

そうではなく、

診察の中に入り込んでいる「診察以外の作業」を減らす。

ここがポイントです。

院長にしかできない判断に時間を使い、それ以外をスタッフと仕組みで支える。

これができれば、患者さんが増えても、院長の負担が同じ割合で増えるとは限りません。

常勤医師1名体制のクリニックでは、診察室をどう回すかが、そのまま経営能力になります。

次回は、高齢患者の多い整形外科で非常に重要な「骨粗鬆症診療」について考えてみましょう。

→目次に戻る