こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、令和8年度診療報酬改定の経過措置のうち、最初の大きな山場になる「令和8年9月30日」についてお話しします。
6月1日に改定後の点数がスタートして、9月30日までは約4か月です。
「まだ先」と思われるかもしれませんが、医療機関の実務では、4か月はあっという間です。
特に9月30日までの経過措置には、入院料、重症度、医療・看護必要度、療養病棟、急性期総合体制加算、回復期リハビリテーション病棟、精神科急性期治療病棟、外来腫瘍化学療法、訪問看護のWeb掲載など、幅広い項目が含まれています。(厚生労働省)
ここでまず確認したいのが、一般病棟用の重症度、医療・看護必要度です。
令和8年3月31日時点で、急性期一般入院料、7対1入院基本料、看護必要度加算、急性期看護補助体制加算、地域包括医療病棟、地域包括ケア病棟などの届出を行っていた病棟・病室については、令和8年9月30日まで、重症度、医療・看護必要度に係る施設基準を満たしているものとみなす経過措置があります。(厚生労働省)
ただし、ここで安心してしまってはいけません。
9月30日までは「満たしているものとみなす」だけです。
10月1日以降にどうなるのか。
新しい基準で実績が取れているのか。
データの取り方は合っているのか。
看護必要度の評価者は新基準を理解しているのか。
この確認を、9月末に始めても間に合いません。
次に、療養病棟です。
療養病棟入院基本料については、医療区分に関する経過措置があります。たとえば、令和8年3月31日に療養病棟入院料2を届け出ている医療機関については、令和8年9月30日まで、医療区分2および3の患者割合に関する要件を満たしているものとみなされます。(厚生労働省)
療養病棟では、医療区分の判定が収入にも病棟運営にも直結します。
ですから、経過措置期間中に、医療区分の確認方法、記録の根拠、医師・看護師・医事課の認識をそろえておく必要があります。
また、回復期リハビリテーション病棟入院料も注意が必要です。
令和8年3月31日時点で回復期リハビリテーション病棟入院料2または4の届出をしている病棟については、令和8年9月30日まで、リハビリテーション実績指数に関する実績要件に該当するものとみなされます。また、入院料3または4の病棟については、週7日リハビリテーションを提供できる体制に関する基準についても経過措置が設けられています。(厚生労働省)
ここで大事なのは、リハ部門任せにしないことです。
実績指数は、リハビリだけの問題ではありません。
入退院支援、病棟運営、地域連携、患者層の変化も関係します。
事務長や経営層も、毎月の実績を確認しておく必要があります。
さらに、訪問看護医療情報連携加算では、Webサイト掲載の基準について、令和8年9月30日まで経過措置が設けられています。訪問看護ステーションの訪問看護管理療養費に係る訪問看護医療情報連携加算についても、同様に令和8年9月30日までWeb掲載基準を満たしているものとみなされます。(厚生労働省)
これは、対応自体は難しくないかもしれません。
しかし、Web掲載は「誰が原稿を作るのか」「誰が確認するのか」「どこに掲載するのか」が曖昧になりやすい分野です。
だからこそ、早めに動くべきです。
9月30日経過措置への対応で、私が医療機関におすすめしたいのは、次の3つです。
1つ目は、対象項目を一覧化すること。
2つ目は、8月末を院内確認期限にすること。
3つ目は、10月1日以降に算定継続できるかを9月中旬までに判断すること。
国の期限が9月30日だからといって、院内の期限も9月30日にしてはいけません。
医療機関の実務では、確認して、修正して、必要があれば届出や辞退の準備をする時間が必要です。
9月30日は、改定後最初の試験日です。
ここを乗り越えられるかどうかで、その後の12月、3月、5月の対応にも大きく影響します。
まずは、9月末期限の項目を洗い出すところから始めてください。

