こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
5回にわたって、令和8年度診療報酬改定における時間外対応体制加算についてお話ししてきました。最終回の今回は、院長先生が自院で確認すべき実務ポイントを整理します。
まず確認したいのは、届出区分です。
時間外対応体制加算は、施設基準に適合しているものとして地方厚生局等へ届け出た診療所が、再診を行った場合に算定する加算です。加算1は7点、加算2は5点、加算3は4点、加算4は2点です。
自院がどの区分で届け出るのか、あるいはすでに届け出ている区分を継続するのかを、まず確認してください。
次に、届出書類です。
時間外対応体制加算の届出添付書類では、届出区分、標榜診療科、対応する職員数、対応医師の氏名、標榜診療時間、電話に応答できなかった場合の体制、連携医療機関、患者さんに周知する連絡先などを記載する構成になっています。
この項目を見るだけでも、単なるレセコン設定ではなく、院内運用全体の確認が必要だと分かります。
特に見落としやすいのが、電話対応の記録です。
時間外に患者さんから問い合わせがあり、電話で相談対応をした場合、誰が、いつ、どのような内容を聞き取り、どのように案内したのかを残しておく必要があります。すべてを診療録に詳細に書くのが難しい場合でも、最低限、日時、患者名、相談内容、対応者、指示内容、折り返しの有無は記録できるようにしておきたいところです。
次に、レセコンの設定です。
名称変更により、画面上の名称やマスターが更新される可能性があります。従来の「時間外対応加算」のままなのか、「時間外対応体制加算」に更新されているのか。点数が正しく変更されているのか。算定対象が再診時であることが反映されているのか。ここは、改定後すぐに確認してください。
また、既存患者に対する算定漏れも起こりやすいポイントです。せっかく体制を整えて届出をしていても、レセコン設定が不十分で算定されていなければ、収入面での評価を受けられません。
一方で、算定できないケースに誤って算定してしまうことも避けなければなりません。初診時に算定していないか、届出前の期間に算定していないか、区分を誤っていないかを確認しましょう。
令和8年度改定に伴う施設基準の届出については、厚生局資料でも受付開始日や提出期限が示されており、令和8年6月1日から算定するための提出期限などが案内されています。地域によって案内方法や掲載資料が異なる場合がありますので、必ず管轄の厚生局の情報を確認してください。
最後に、院長先生向けのチェックリストとして、次の5つを確認してみてください。
1つ目、自院の届出区分は明確か。
2つ目、時間外の連絡先と対応者は決まっているか。
3つ目、電話に出られない場合の折り返しルールはあるか。
4つ目、患者さんへの周知文、院内掲示、診察券の記載は整っているか。
5つ目、レセコン設定と記録方法は確認済みか。
時間外対応体制加算は、点数だけを見ると小さな加算に見えるかもしれません。しかし、患者さんにとっては「困ったときに相談先がある」という安心につながります。クリニックにとっては、自院のかかりつけ医機能を見える化する機会になります。
大切なのは、無理をしすぎないことです。
院長先生が一人で抱え込むのではなく、スタッフ、連携医療機関、地域の救急医療体制を含めて、現実的に続けられる仕組みにしていくこと。
今回の改定をきっかけに、自院の時間外対応を一度見直してみてはいかがでしょうか。

