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機能強化加算はどう変わる?令和8年度改定でクリニック院長がまず押さえるべきこと(第1回/全5回)

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M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度診療報酬改定の中から、クリニックの先生方に関係の深い「機能強化加算の見直し」についてお話しします。

まず最初に申し上げたいのは、今回の見直しは、単に「点数が上がった、下がった」という話ではありません。機能強化加算は、初診時に算定できる80点の加算として整理されていますが、その本質は、地域で“かかりつけ医機能”を担う医療機関として、一定の体制を整えていることを評価するものです。厚労省資料でも、外来医療における役割分担を図り、専門医療機関への受診の要否の判断など、質の高い診療機能を評価する趣旨が示されています。

では、今回どこが見直されたのでしょうか。

大きく見ると、ポイントは3つです。

1つ目は、業務継続計画、いわゆるBCPの策定です。災害や感染症、停電、システム障害などが起きたときに、診療をどう続けるのか、どう早く再開するのかを、あらかじめ決めておくことが求められます。

2つ目は、外来データ提出加算、または在宅データ提出加算の届出が望ましいとされたことです。今すぐ全クリニックに必須、という表現ではありませんが、今後の外来診療は、診療実績や管理状況をデータで示す方向に進んでいくと考えた方がよいでしょう。

3つ目は、外来医師過多区域等に関連する期限付き指定診療所の扱いです。これはすべての既存クリニックに直ちに関係する話ではありませんが、新規開業、分院展開、移転、承継を考えている先生には重要な論点です。施設基準上、健康保険法に基づき3年以内の期限が付された指定を受けた診療所以外であることが示されています。

ここで大事なのは、「機能強化加算を取っているから大丈夫」ではなく、「本当に地域のかかりつけ医として説明できる体制になっているか」を見直すことです。

たとえば、患者さんが他院でどんな薬をもらっているか把握しているか。必要なときに専門医療機関へ紹介できるか。健診結果の相談に応じているか。保健・福祉サービスの相談に対応できるか。時間外や緊急時の対応方法を患者さんにわかりやすく案内しているか。

これらは、機能強化加算の主な算定要件として、院内掲示やホームページ等での案内、必要に応じた患者説明が求められている事項です。

今回の改定は、これまでの掲示や届出の確認に加えて、「非常時にも診療を続けられるか」「データで診療実績を示せるか」という視点が加わったものと考えるとわかりやすいです。

先生方にまずお願いしたいのは、焦って書類だけ作ることではありません。自院の体制を、院長、事務長、看護師、受付スタッフで一度棚卸ししてみてください。

「災害時に電子カルテが止まったらどうするか」
「在宅患者さんへの連絡は誰がするか」
「紹介先リストは最新か」
「ホームページの掲示内容は古くないか」
「データ提出について、レセコン会社に確認したことがあるか」

このあたりを確認するだけでも、かなり具体的な課題が見えてきます。

機能強化加算は、単なる加算ではなく、地域から見たクリニックの信頼を形にするものです。令和8年度改定は、その信頼をもう一段、実務で裏付けてください、というメッセージだと受け止めるのがよいと思います。

次回は、今回の見直しの中でも特に重要な「BCP」について、クリニックで現実的に何を準備すればよいのかをお話しします。

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