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回復期リハビリテーション強化体制加算を取るべきか――80点加算の要件と病棟運営への影響(第5回/全6回)

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こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。

今回は、令和8年度改定で新設された「回復期リハビリテーション強化体制加算」についてお話しします。

この加算は、回復期リハビリテーション病棟入院料1を算定する病棟を対象とした新しい加算です。

点数は80点です。

患者1人につき1日80点ですから、対象病棟の規模によっては、病院収入への影響も小さくありません。

ただし、この加算は「入院料1を取っているから自動的に取れる」というものではありません。

施設基準として、回復期リハビリテーション病棟入院料1の届出を行っていること、届出月および各年度4月・7月・10月・1月に算出したリハビリテーション実績指数が48以上であること、排尿自立支援加算の届出を行っていること、直近6か月間に自宅へ退院した患者のうち1割以上に退院前訪問指導を実施していることなどが求められます。摂食嚥下機能回復体制加算1の届出も望ましいとされています。

ここで注目したいのは、実績指数48以上です。

入院料1の基準は42以上ですが、強化体制加算ではさらに高い48以上が求められます。

これは、かなり高い水準です。

単に単位数を増やすだけでは届きません。

患者選定、入棟時評価、ADL目標、在棟日数管理、退院支援、病棟生活での実践まで、病棟全体の運営を整える必要があります。

もう1つ重要なのが、退院前訪問指導です。

直近6か月間に自宅へ退院した患者のうち、1割以上に退院前訪問指導を実施していることが求められます。疑義解釈では、退院前訪問指導の実施割合について、同じ患者に入院後早期と退院前の2回訪問を行った場合でも、分子に入れる患者数は1人として扱うことが示されています。

つまり、件数を増やせばよいというより、「必要な患者に適切に訪問できているか」が問われます。

中小病院で退院前訪問指導を増やすには、MSW任せ、リハ任せでは難しいです。

入棟早期から、退院先が自宅なのか、住宅改修が必要なのか、家族の介助力はどうか、トイレや浴室の環境はどうかを確認する必要があります。

退院直前になってから「訪問しましょう」と言っても、日程調整が間に合わないことがあります。

ですから、強化体制加算を目指す病院では、入棟後2週間以内くらいを目安に、「退院前訪問の候補患者」をリスト化しておくとよいと思います。

また、排尿自立支援加算の届出も要件に入っています。

これは、今回の改定が、単に歩行能力だけでなく、排泄を含めた生活機能の改善を重視していることを示しています。

回復期リハ病棟では、トイレ動作、排尿管理、夜間の安全、失禁への対応などが、退院後の生活に直結します。

リハ部門だけでなく、看護部門の関与が非常に大きい領域です。

なお、疑義解釈では、この強化体制加算の届出は、保険医療機関内の回復期リハビリテーション病棟入院料1を届け出る病棟全体で行うこととされています。

複数の回復期リハ病棟を持っている病院では、1病棟だけ良ければよいという話ではありません。

病棟ごとの差をどうならすか。
FIM評価をどう統一するか。
退院前訪問指導をどの病棟でも実施できるか。

ここまで見ておく必要があります。

この加算は、収入面では魅力があります。

しかし、それ以上に、回復期リハ病棟の運営力を高める加算だと考えたほうがよいです。

「80点を取りに行く」のではなく、「80点を取れる病棟運営に変えていく」。

その発想が大切です。

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