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採用の新潮流

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医療機関の人手不足は、いまや一部地域だけの問題ではありません。 看護師、医療事務、リハビリ職、介護職、さらには医師採用まで、多くの医療機関が「求人を出しても応募が来ない」という悩みを抱えています。

従来の求人媒体だけでは、差別化が難しい時代です。 給与や休日数だけでは選ばれず、「どんな職場なのか」「人間関係はどうか」「院長やスタッフの雰囲気は合うのか」といった、”見えない情報”が求職者の意思決定に大きく影響するようになっています。

そんな中、全国の医療機関で注目されているのが、「YouTubeを活用した採用活動」です。


なぜ今、医療機関にYouTube採用なのか

求職者、とくに20〜30代は、求人票だけでは応募を決めません。

実際には応募前に、ホームページを見て、Google口コミを確認して、SNSを調べて、YouTube動画を見る——という行動が広がっています。

つまり、求職者は「条件」ではなく、「空気感」を確認しているのです。

YouTubeは、その空気感を最もリアルに伝えられるツールです。

スタッフ同士の会話、院内の雰囲気、一日の仕事の流れ、院長インタビュー、子育てスタッフの働き方、新人教育の様子——こうした内容を動画で発信することで、「ここで働くイメージ」が具体化され、応募への心理的ハードルが大きく下がります。

採用動画を視聴した学生の約6割が「志望度が上がった」と回答しているという調査結果もあります。


実際に取り組んでいる医療機関

すでに複数の医療機関が、YouTubeを採用広報に活用しています。

社会医療法人康陽会 中嶋病院(宮城県)は、「看護師一日の流れ」動画をYouTubeで公開しています。新人看護師編・キャリア看護師編・入退院支援看護師編と、経験別に動画を分けて展開しており、具体的な業務内容や職場の雰囲気が伝わる構成になっています。

東京都済生会中央病院は、採用ムービーをYouTubeで公開するとともに、マイナビが運営する「看護師チャンネルシゴトLive」にも取り上げられ、救命専用病棟の認定看護師の一日密着動画が公開されています。外部チャンネルとの連携という点で、参考になる事例です。

公立八女総合病院(福岡県)は、看護部の公式YouTubeチャンネルを独自に開設し、看護師募集動画を発信しています。公立病院が自前でチャンネルを運営しているのは、まだ珍しい取り組みです。

済生会新潟県央基幹病院は、初期研修医向けに「動画でわかる初期研修!」というムービーをYouTubeで公開しています。医師採用を動画で訴求している事例は少なく、注目されています。

いずれも、採用サイトや求人媒体だけでは伝えにくい「現場のリアル」を動画で補っています。


医療機関のYouTubeで重要なのは”再生数”ではない

多くの医療機関が誤解しているのが、「バズらないと意味がない」という考え方です。

しかし採用目的で重要なのは、再生回数ではありません。

本当に大切なのは、「この職場で働きたい」と思ってくれる人に届くことです。

100万回再生より、”未来の応募者10人”に刺さる動画のほうが、採用効果は高いのです。

そのため、医療機関のYouTubeでは、過度な演出をせず、リアルを見せて、スタッフの自然な声を出すことが重要になります。完璧さより、誠実さのほうが伝わります。


これからの採用は「探す」から「見つけてもらう」へ

人口減少時代に入り、医療機関同士の人材獲得競争はさらに激しくなります。

その中で、待つ採用だけでは限界があります。

「この病院、なんか良さそう」「ここで働いてみたい」と感じてもらう情報発信力が、採用力そのものになる時代です。

YouTubeは単なる動画ツールではありません。医療機関の理念や文化、人間関係、働く魅力を伝える「採用インフラ」へ変わり始めています。

人材不足に悩む医療機関こそ、”動画による採用広報”を選択肢のひとつとして検討する価値があるかもしれません。