毎年のことですが、改定のたびに資料の量に圧倒されます。 告示、通知、施設基準、疑義解釈。厚労省から出てくるPDFを全部合わせると、「どこに何が書いてあるか」を把握するだけで、何日もかかります。
そこで今回、Googleの無料AIツール「NotebookLM」に改定資料をまとめて放り込んで使ってみました。結論から言うと、最初の情報整理のコストが劇的に下がりました。
NotebookLMとは何か
Googleが提供する、文書に特化したAIツールです。使い方はシンプルで、PDFやテキストファイルをアップロードして、その中身について質問するだけです。
一般的なAI(ChatGPTなど)と大きく違うのは、「アップロードした資料の中だけ」を根拠に回答するという点です。インターネット上の情報や学習データには頼りません。そのため、でたらめな情報を生成する「ハルシネーション」が起きにくくなっています。回答には必ず出典(何ページの何という資料か)が表示されるので、原文確認もしやすいです。
医事課や事務局で使うには、この「根拠が明確」という特性が重要になります。
何を入れるか
2026年改定であれば、以下の資料が候補になります。
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- 診療報酬改定告示(医科)
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- 基本診療料・特掲診療料の施設基準等の通知
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- 疑義解釈資料(Q&A)の各シリーズ
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- 自院の届出状況や院内メモ(テキスト形式)
無料版でも主要資料は十分に入ります。
実際にやってみた質問例
入れてみてから、こんな質問を投げてみました。
「入院早期離床・リハビリテーション加算の施設基準を教えて」 → 該当箇所を抜き出して、簡潔にまとめてくれました。ページ数も表示されます。
「感染対策向上加算1の2024年からの主な変更点は?」 → 変更前後の要件を比較して整理してくれました。
「疑義解釈で、外来データ提出加算について出てきた質問をすべて教えて」 → 複数のQ&Aシリーズを横断して拾い上げてくれました。
これまで「たしかあの通知のどこかに書いてあったはず」と何十分もかけて探していた作業が、数十秒で終わります。
使うときの注意点
ただし、過信は禁物です。
疑義解釈は随時追加されます。 改定直後から数カ月にわたってQ&Aが出続けるため、その都度資料をアップロードし直す必要があります。NotebookLMは「入れた資料の中しか見ない」ので、最新情報が抜けていれば答えも古いままになります。
最終判断は必ず原文で。 AIの要約は「検索の補助」と割り切るべきです。算定可否の判断や届出書類の確認は、引用された原文を自分の目で確認する習慣を崩さないようにしてください。
社内情報の取り扱いに注意。 個人情報や患者情報が含まれる資料は入れてはいけません。Googleのプライバシーポリシーを確認のうえ、使う資料の範囲を明確にしておいてください。
まとめ
NotebookLMは「AIが自動で答えを出してくれるツール」ではありません。膨大な資料の中から、必要な情報への道筋を素早く示してくれるツールです。
改定資料との格闘を少し楽にする——そのくらいの期待値で使い始めると、じわじわと手放せなくなります。
