受付カウンター越しのやり取りは、ほんの数分で終わることがほとんどです。
それでも、ときどき、ある「場面」だけが、なぜか心に残ることがあります。
あとから振り返っても、「特に問題のある対応ではなかったはずだ」
そう思いながらも、患者さんが視線を落とした一瞬や、
少し早口になった別れ際の言葉が、妙に引っかかって離れない。
医事課長として現場に立ち会うようになってから、
こうした“引っかかり”に、以前よりも敏感になった気がしていました。
次回は、「配慮のつもりだった、その一言」をきっかけに、
医療現場で静かに生まれるスティグマについて考えていきます。

長 幸美(ちょう ゆきみ)
(株)M&Cパートナーコンサルティング パートナー
(株)佐々木総研 医業経営コンサルティング部 シニアコンサルタント
20数年の医療機関勤務の経験を活かし、「経営のよろず相談屋」として、医療・介護の専門職として、内部分析・コンサルティングに従事。
