医療・介護の現場では、慢性的な人材不足が続いており、特に介護福祉士や看護補助者などの確保が課題となっています。新規人材の採用に注力するだけでなく、現在働いているスタッフが安心して長く勤められる環境を整えることが、これまで以上に重要です。

　このような状況下で最も重要なのは、今働いている人材が安心して長く勤められる職場を作ることです。魅力的な職場とは、人間関係が良好で、日々の業務に誇りとやりがいを感じられる場所です。給与や待遇も大切ですが、それ以上に人間関係や職場の風通し、スタッフ同士の信頼関係が大きな意味を持ちます。給与面だけに頼った採用戦略は、より高い条件を提示する施設に人材が流れるリスクが常につきまといます。

　したがって、魅力ある職場作りには、①施設の強みを見出してブランド化し、働く人が誇りを持てる分野を確立すること、②安心して意見を言い合え、共に育ち合える風通しの良い環境を整えることが重要です。

　人材育成は時間がかかりますが、ここに投資し続けることが、長期的に施設の安定した運営につながります。日頃から現場の声を聞き、スタッフ一人一人に寄り添う姿勢を持ち続けることが、職場の魅力を高め、結果的に多くの人材を惹きつける大きな力になります。

　これからの時代、職場の魅力は単に待遇面だけでなく、「ここで働きたい」「ここで成長したい」と感じてもらえる場を提供できるかどうかにかかっています。皆さまの施設が、職員にとって誇りと安心、成長の場であり続けるよう、共に歩みを進めていきましょう。