今月は、診療録の記載として傷病名の項目についての注意点をお伝え致します。
傷病名については、診療の都度、医学的に妥当、適切な傷病名を診療録に記載します。なお、下記の点について記載漏れが無いよう日常的に確認が必要です。
・必要に応じて急性・慢性の区別、部位・左右の区別をする。
(例)
<急性・慢性の区別>
気管支炎、心不全、胃炎、腎不全、副鼻腔炎、腎炎等
<部位を記載する>
骨折、湿疹、末梢神経障害、凍傷、白癬、接触性皮膚炎、褥瘡等
<左右の区別>
骨折、膝関節痛、足関節痛、肩関節周囲炎、白内障、緑内障等
・診療開始年月日、終了年月日を記載する。
・傷病名については、適宜見直しを行い、中止、治癒など病名整理(転帰)をすること。(急性病名が長期間にわたり継続する場合等)
・疑い病名は、診断がついた時点で、速やかに確定病名に変更する。また、当該病名に相当しないと判断した場合は、その段階で中止する。
診療報酬請求書及び診療報酬明細書の記載については、「診療報酬請求書等の記載要領について」に定められています。基本的なことであることから、新入職員が入職してきた際に説明しておくことをお勧めいたします。
(15) 「傷病名」欄について ア:傷病名については、原則として、「電子情報処理組織の使用による費用の請求に関して厚生労働大臣が定める事項及び方式並びに光ディスク等を用いた費用の請求に関して厚生労働大臣が定める事項、方式及び規格について」(令和4年4月22日付保発0422第1号)(本通知が改正された場合は改正後の通知によること。)別添3に規定する傷病名を用いること。別添3に規定する傷病名と同一の傷病でありながら名称が異なる傷病名については、「傷病名コードの統一の推進について」(令和6年3月27日医療課事務連絡)に取りまとめたので、これを参照し、原則として、傷病名コードに記載されたものを用いること。 イ:主傷病、副傷病の順に記載すること。主傷病については原則として1つ、副傷病については主なものについて記載することとし、主傷病が複数ある場合は、主傷病と副傷病の間を線で区切るなど、主傷病と副傷病とが区別できるようにすること。 ウ:薬剤料に係る所定単位当たりの薬価が 175 円以下の薬剤の投与又は使用の原因となった傷病のうち、健胃消化剤、鎮咳剤などの投与又は使用の原因となった傷病など、イに基づき記載した傷病名から判断して、その発症が類推できる傷病については、傷病名を記載する必要はないものとすること。ただし、強心剤、糖尿病薬などの投与又は使用の原因となった傷病名についてはこの限りでないこと。 エ:傷病名が4以上ある場合には、「傷病名」欄の余白に順次番号を付し、傷病名を記載し、又は当該欄に記載しきれない場合は、「摘要」欄に順次番号を付して記載し、最終行の下に実線を引いてその他の記載事項と区別し、記載した傷病名に対応する診療開始日を、傷病名の右側(傷病名の右側に余白がない場合は、当該傷病名の次の行の行末)に記載すること。 オ:心身医学療法を算定する場合にあっては、例えば「胃潰瘍(心身症)」のように、心身症による当該身体的傷病の次に「(心身症)」と記載すること。 資料:「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正についてより (令和6年3月27日 保医発0327第5号) |
レセプトの傷病名のみで診療内容の説明が不十分である場合は、請求点数の高低に関わらず、症状詳記で補います。
・当該診療行為が必要な具体的理由を簡潔明瞭に記述すること。
・客観的事実(検査結果等)を中心に記載すること。
なお、レセプト審査においては、まずは対象病名があることが前提です。症状詳記があっても適応病名がなければ査定の対象なりますので注意が必要です。

能見 将志(のうみ まさし)
診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。