企業が長期的に成長するためには、経営において「環境」「社会」「ガバナンス」が重要であるという考え方が、世界中で広がっています。これをそれぞれの頭文字を取って「ESG」と呼びます。ESGの考え方は、SDGsとも繋がりがあり、ESGを意識した経営を行うことで、SDGsの達成にも貢献できると考えられます。医療機関でも、ESGに基づいた取り組みを進める機関が増えています。たとえば、「環境」への取り組みとして、温暖化対策の一環で高効率な空調設備やLED照明への変更が挙げられます。「社会」に対しては、男女共同参画の推進や、多様性を受け入れるためのインクルージョン推進が含まれます。「ガバナンス」に関しては、災害時の事業継続計画の策定や、コンプライアンス違反に対する相談窓口の設置などが具体例です。
これらの取り組みは、SDGsと同様に、医療機関のホームページや機関誌を通じて発信され、地域に根差した信頼される医療機関としての存在感をアピールする材料となります。
ただし、ESGはSDGsに比べるとまだ広く浸透していないのが現状です。SDGsには、「すべての人に健康と福祉を(目標3)」「ジェンダー平等を実現しよう(目標5)」「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに(目標7)」といった、医療機関にとって取り組みやすい項目が含まれていました。一方、ESGはそこまで細分化されていません。とはいえ、医療機関がそれぞれ現在行っている取り組みの中にも、ESGに該当するものがあるはずであり、それらを整理し、外部に向けて発信することで、また違った評価を地域から得られることが期待できます。取り組み内容の整理、表現方法の検討を行いながらホームページの更新を計画してみてもいいかもしれません。