こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
このシリーズでは、常勤医師1名体制の整形外科クリニックが、どうすれば増収・増患できるのかを考えてきました。
最後に、これまでのお話を整理してみましょう。
まず、増患の入口になるのが新患です。
新患が増えれば、将来の再診患者やリハビリ患者も増えます。
しかし、新患だけを増やすと、今度は院長の診察室が詰まります。
そこで、リハビリへの導線を整え、再診時の情報整理をスタッフと分担し、院長が診断や治療方針の決定に集中できる体制をつくる。
さらに、骨粗鬆症の継続管理や、必要な検査・処置を適切に提供できる仕組みを整える。
そして、地域の医療機関、介護関係者、学校、スポーツなどとの接点を増やし、新患が入ってくるルートを複数持つ。
これが、常勤医師1名でも成長できるクリニックの基本的な形です。
では、経営者として何を見ればよいのでしょうか。
私は、少なくとも次の数字は毎月見てほしいと思っています。
新患数。
再診患者数。
リハビリ患者数。
リハビリの予約枠と稼働状況。
骨密度検査など主要な検査件数。
院長の1日あたり診察人数。
診療終了時刻や残業時間。
売上だけを見るのではありません。
例えば売上が増えていても、院長の帰宅時間が毎日1時間遅くなっているのであれば、その成長は長続きしないかもしれません。
逆に、売上がほぼ同じでも、診察終了が30分早くなったのであれば、そこには次の患者さんを受け入れる余力が生まれています。
経営改善では、
「売上がいくら増えたか」だけでなく、「どれだけ余力が生まれたか」
を見ることが大切です。
そして、ある程度仕組みを整えてもなお、毎日診察がいっぱいで、新患を断らざるを得ない。
そこまで来て初めて、
「もう1人医師を採用するのか」
「診療時間を広げるのか」
「分院を考えるのか」
という次の経営判断が出てきます。
医師を採用すれば人件費は大きく増えます。
ですから、その前に、
「今の医師1名体制を最大限活かせているか」
を確認しておくことが重要です。
常勤医師1名のクリニックが成長する方法は、院長がさらに頑張ることではありません。
院長1人の力に依存する経営から、スタッフと仕組みで診療を支える経営に変えること。
私は、ここが一番大切だと思っています。
患者さんが増えても、院長だけが疲弊しない。
スタッフもそれぞれの専門性を発揮できる。
そして、患者さんに必要な医療をきちんと提供できる。
そうした状態をつくることが、結果として増収・増患につながります。
常勤医師1名だからできない、と考えるのではなく、
「医師1名だからこそ、どこを仕組みに変えるのか」
ぜひ一度、クリニック全体を見直してみてください。

