こんにちは。M&Cパートナーコンサルティング代表の村上佳子です。
今回は、在宅時医学総合管理料、施設入居時等医学総合管理料、いわゆる在医総管・施設総管の見直しについてお話しします。
今回の改定で、実務上かなり影響が大きいのが、月2回以上訪問診療を行っている場合の要件見直しです。
これまで、在宅医療を行う医療機関の中には、患者さんの状態にかかわらず、月2回訪問を基本にしているところもあったと思います。
もちろん、月2回訪問が必要な患者さんはたくさんいます。
状態が不安定な方。
終末期の方。
処置が多い方。
認知症が進んでいて生活支援が必要な方。
訪問看護と密に連携しなければならない方。
こういう患者さんには、月2回どころか、それ以上の関わりが必要な場合もあります。
一方で、比較的状態が安定している患者さんに対して、算定上の都合で一律に月2回訪問しているような運用は、今後かなり注意が必要になります。
今回の改定では、在医総管・施設総管の「月2回以上訪問診療を行っている場合」について、月2回以上訪問診療を行う患者さんのうち、重症度の高い患者さん、または包括的支援加算の対象患者さんの割合が2割以上であることが要件に追加されました。
この2割という数字が、とても重要です。
たとえば、月2回訪問している患者さんが多い医療機関では、その中にどれくらい重症患者さんがいるのかを、きちんと把握しなければなりません。
資料では、直近3か月に、月2回以上訪問診療を算定する患者さんの延べ診療月数が30月未満の場合と、30月以上の場合で整理されています。また、基準の該当可否は毎年2月、5月、8月、11月に確認し、変更がある場合は速やかに届出を行うこととされています。
ここで事務長さんにお願いしたいのは、まず台帳を作ることです。
月2回訪問している患者さんを一覧にする。
その患者さんが別表第8の2に該当するのか。
包括的支援加算の対象なのか。
在宅がん医療総合診療料の対象なのか。
施設入居なのか、居宅なのか。
訪問看護は入っているのか。
要介護度や認知症の状態はどうか。
これを、レセプト請求の時だけでなく、日常的に確認できるようにしてください。
別表第8の2の重症度の高い患者さんには、末期の悪性腫瘍、指定難病、脊髄損傷、真皮を越える褥瘡、在宅酸素療法、在宅中心静脈栄養、在宅人工呼吸、気管切開、ドレーンや留置カテーテルの使用など、医療依存度の高い状態が含まれます。
また、参考として示されている重症度の高い患者さんには、要介護3以上に相当する患者さん、認知症高齢者の日常生活自立度ランクⅢ以上の患者さん、月4回以上の訪問看護を受ける患者さん、訪問診療時や訪問看護時に注射や処置を行っている患者さんなども含まれます。
ここから考えると、今回の改定は、月2回訪問を否定しているわけではありません。
むしろ、本当に必要な患者さんには、しっかり月2回以上訪問してください、という方向です。
ただし、なぜ月2回必要なのかを、患者さんの状態で説明できることが大前提になります。
院長先生、事務長さんは、次の視点で見直してみてください。
この患者さんは、なぜ月2回訪問が必要なのか。
その理由は診療録に残っているか。
重症度や包括的支援加算の対象であることを、請求担当者が確認できるか。
施設単位で、月2回訪問が一律運用になっていないか。
今回の改定は、在宅医療の質を高めるための見直しです。
点数を守るためだけではなく、患者さんの状態に合った訪問頻度になっているかを確認する機会にしていただきたいと思います。

