地域医療を支える診療所では、限られた人員と時間の中で、いかに質の高い医療サービスを提供できるかが常に問われます。その中で、意外に見落とされがちなのが「職場のマナー」です。
マナーといえば「挨拶」「身だしなみ」「言葉遣い」などを思い浮かべる方も多いかと思いますが、医療の現場ではこれが生産性に直結します。円滑なコミュニケーション、患者との信頼関係の構築、スタッフ同士の連携強化——これらはすべて日々のマナーから生まれます。
たとえば、報連相が徹底されていればミスや重複業務は減り、丁寧な言葉遣いがあれば患者満足度が向上し、クレーム対応に割く時間も減少します。つまり、「マナー」は“人間関係の潤滑油”であると同時に、“無駄のない動線”を生む土台なのです。
【月例チェックリスト】マナーが整えば生産性も高まる!
以下のチェックリストは、月1回の振り返りや職員面談、朝礼などで活用できる内容です。5分でも共有の時間を設ければ、確実に職場の雰囲気と業務効率が変わります。
📌職場マナー 月例チェックリスト(○×形式)
- 朝の挨拶が職員全員に行き届いている
- 患者への第一声が丁寧な言葉遣いで統一されている
- スタッフ間で「ありがとう」「お願いします」の声かけがある
- 電話対応時の名乗り・敬語がマニュアル通り行われている
- 自席やバックヤードが整理整頓されている
- 報告・連絡・相談がリアルタイムで行われている
- 注意・指導が感情的にならず建設的な言葉で行われている
- 患者や家族の前で私語・陰口・無表情が出ていない
- 制服の清潔感・髪型・名札の位置など、基本が守られている
- 今月、自分から「ありがとう」を何度言えたか振り返った
■ 終わりに:品格が「選ばれる診療所」へ導く
マナーの積み重ねは、単なる作法ではなく「診療所の文化」そのものです。生産性を上げるというと効率化やIT化が注目されがちですが、その根底には「気持ちよく働ける環境」が不可欠です。
まずは今月、このチェックリストを1項目だけでも意識してみてください。1人の変化が、チームの空気を変える力になります。
