今月は、前回に引き続き退院時共同指導料の算定について解説致します。
B004 退院時共同指導料1(退院後の在宅療養を担う医療機関側が算定) 1 在宅療養支援診療所 1,500点 B005 退院時共同指導料2 400点(入院している医療機関側が算定) |
○算定要件
退院時共同指導料が設定された理由として、退院から外来へシームレスに繋いでいく必要性があると考えられます。その中でも入院患者および家族は、「退院後、かかりつけの先生に戻った時に継続的な治療ができるのか」、「退院した後の外来もどのような治療を行なったかを把握されている医療機関の方が良いのではないか」、「入院している医療機関の外来の方が良いのではないか」、「退院した後に調子が悪くなった時にもかかりつけの先生は対応してもらえるのだろうか」等の不安を抱えています。
そこで、退院後の診療を担う医療機関の医師や看護師等が入院中の病院に赴き、入院医療機関の医師や看護師等と入院中に行った診療内容や退院後に起こり得る症状に対してどのように対応したらよいのか、薬のこと、食事のこと、ケアに関する注意点等を患者や家族の見えるところで話し合っていただけたら安心して退院することができます。
しかしながら、クリニックの医師は1人であることが多いため、入院医療機関へ赴くことが困難な可能性もございます。算定要件では、「在宅療養を担う医師または看護師または准看護師が入院先に赴いて」と記載されており、入院医療機関側へ赴くのは、医師ではなく看護師または准看護師が対応することでも算定可能です。
さらに、在宅療養を担う医師または看護師もしくは准看護師だけでなく、一緒に患者のケアプランを作成する居宅介護事業所のケアマネジャーや訪問看護ステーションの看護師、保険薬局の薬剤師、歯科医師もしくは歯科衛生士のいずれか3者が同時に訪問すると、多機関共同指導加算として入院医療機関側は2,000点の加算が算定できます。
在宅で支えてくれる専門職種が一堂に患者の在宅療養について話し合ってくれたら、更に安心して退院することが可能になると思います。
診療報酬は、より質の高い医療という部分を評価しています。医療機関は、患者への満足度を高め、質の高いサービスを提供することで、新たな取り組みに伴う診療報酬算定の道筋になると考えます。

能見 将志(のうみ まさし)
診療情報管理士。中小規模の病院に18年間勤務(最終経歴は医事課長)。 診療報酬改定、病棟再編等を担当。診療情報管理室の立ち上げからデータ提出加算の指導まで行う。
