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「Microsoft officeのAI機能について」

 マイクロソフトはExcelやPowerPoint、Wordといった主要ソフトに、簡単な指示だけで高度な資料作成を行うAIエージェント機能を追加しました。従来の「質問に答えるAI」から一歩進み、複雑な業務プロセスを自律的に実行できる点が大きな進化です。業務ソフトMicrosoft 365に搭載されるCopilotの機能拡張により、医療・介護領域にも大きなインパクトが生まれようとしています。

 Excelでは、企業の財務データの分析やグラフ作成をAIが自動で実施し、PowerPointでは、資料の内容や目的をAIに指示することで、より訴求力の強い資料の作成を自動で行ってくれ、その後も対話を続けることでブラシュアップを行っていくことができるそうです。Wordも同様に、資料骨子の作成から文章生成まで一気通貫で支援し、作業時間を大幅に短縮できます。

 医療機関や介護施設は、日々の書類作成が膨大であり、生産性向上の余地が極めて大きい分野です。今回のようなAIエージェント機能は、現場職員の負担を軽減するだけでなく、意思決定に必要な資料の精度向上にも寄与します。検討要件の整理、会議資料の作成、事故報告の分析、財務データの可視化など、多くのプロセスが短時間で高品質に実行できるようになります。

 今後は、医療・介護領域でこうしたAI活用の成功事例を積極的に創出し、標準化していくことが重要です。AIエージェントを上手く取り入れることで、“人にしかできないケア”により多くの時間を投資できる環境が整い、組織全体の価値向上にもつながっていきます。

 

原田 和将

一般社団法人 アジア地域社会研究所 所属
介護現場での管理者としての経験を活かした職員研修、コーチングを中心に活動。コーチングはITベンチャーなど多岐にわたる業態で展開。国立大学での「AIを活用した介護職員の行動分析」の実験管理も行っており、様々な情報を元にした多角的な支援を行う。