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「社会福祉法人が行う介護事業とNPO法人が行う介護事業」②

同じ介護サービスでも、法人が違うと“税金の結論”が変わります。
その違いは、現場の努力よりも制度のルールにあります。
後半では、その分かれ目を見ていきます。

●社会福祉法人とNPO法人の違い
それでは、なぜ社会福祉法人が行う介護事業は一部を除き法人税が課税されず、NPO法人が行う介護事業は法人税が課税されるのでしょうか?
答えは単純です。これもまた法人税の法令上の話ですが、社会福祉法人が行う医療保健業は収益事業から除くということが特別に定められている(法人税法施行令第5条第1項第29号ロ)ためです。
そのため、社会福祉法人は、②物品貸付業に該当する福祉用具貸与事業、③物品販売業該当する福祉用具販売事業、④請負業に該当する住宅改修事業は法人税の課税対象になりますが、①医療保健業に該当する介護サービス事業は法人税の課税対象外となります。
一方でNPO法人は、社会福祉法人の様に特別な除外の規定がないため、①~④の全てが法人税の課税対象となります。

●これまでと今後について
さて、以上のように社会福祉法人が行う介護サービス事業とNPO法人が行う介護サービス事業では、法人税が課税されない課税されるの大きな違いがあり、その理由は単純に法令で定められているからです。ただ、どの様な経過をたどり、その様な異なる取り扱いになったのか?色々調べてみましたが、はっきりとは分かりませんでした。設立の要件や運営方法の違いなどの様々な要因があるのかもしれません。
 一方で法人税法上の収益事業については、昭和56年に医療保健業が追加されたのち、いくらかの変遷は経たものの大きな改正が行われていないことも事実です。

 これまで、私たちが身近に感じる税金については様々な議論が尽くされてきたところですが、一方で公益法人に関連する税金については時代に即した議論が進んでいないように感じます。今後ますます介護事業の担い手が多様化するなかで、過去に制定された法令のまま法人税の課税が行われることに不公平はないのか?世の中の関心の向上と議論の熟成が望まれるところです。