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「人口減少とサービス提供について」

 人口減少とサービス需要変化に対応するための地域別サービス提供体制について第126回社会保障審議会で議論が行われました。 2040年には65歳以上人口がピークを迎え、特に85歳以上の増加が著しい一方で、生産年齢人口は減少します。地域ごとの実情に応じた体制整備は喫緊の課題です。 全国を「大都市部」「一般市等」「中山間・人口減少地域」の3類型に区分し、地域ごとに柔軟な介護基盤を設計することを議論の柱としています。中山間地域では人材確保が困難なため、特例介護サービスの新類型創設や人員配置基準の弾力化、夜勤要件の緩和が検討され、さらに訪問系サービスでは定額制報酬を導入し、利用者減少による経営不安定化を防ぐ方針が示されています。
 また、市町村が介護保険財源を活用して「事業型給付」によるサービスを実施できる仕組みを導入し、利用者の増減に左右されない安定的な運営を目指していく方針が議論されました。介護事業者間の連携も強化し、ICT活用による間接業務の効率化や、連携法人へのインセンティブ付与も提案されています。
 人口減少時代の中で介護サービスの持続可能性の確保と地域最適化を目的とした制度の設計が今後の重点課題となっていきます。

 

原田 和将

一般社団法人 アジア地域社会研究所 所属
介護現場での管理者としての経験を活かした職員研修、コーチングを中心に活動。コーチングはITベンチャーなど多岐にわたる業態で展開。国立大学での「AIを活用した介護職員の行動分析」の実験管理も行っており、様々な情報を元にした多角的な支援を行う。