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「2025年度社会保障費」について

政府は昨年12月27日に2025年度予算案を閣議決定し、厚生労働省は2025年度の注目施策「地域医療構想・医師偏在対策・かかりつけ医機能の推進」などを盛り込んで、社会保障関係費は33兆9723億円を計上しました。創薬力強化、医療・介護のDX推進、地域医療基盤強化を含んだ「全世代型社会保障の実現」、労働市場改革を目指した「賃上げと多様な人材活用」、生きがいを持つ社会の構築のための「包摂的社会の実現」の3つが重点事項として挙げられています。有望な医薬品・医療機器の実用化支援のための予算として77億円が計上され、前年から6億円増となっており、その供給体制の強化として4.4億円が計上され前年比2.6倍です。地域包括ケアシステムの推進のための予算として、前年と同額の2470億円が計上されています。一方、医療介護DX推進のために計上された予算は49億円で、前年比から大幅に減少しています。

 これまでDXの推進のための投資を行い、システムやインフラの整備を進めてきました。「医療DXの推進に関する工程表」(令和5年6月2日決定)に基づき、2025年度には電子処方箋の普及や電子カルテ情報共有サービスの開始などを予定しています。各施策は順調に推移しており、現時点での追加予算の投入は優先度が高くなかったようです。前年から226億円の大幅増の313億円計上となったのは「感染症危機への備え」です。感染症そのものだけでなく、感染症への備えが経営に悪影響を及ぼさないよう、教訓を活かして進めることが重要です。